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鳥さんのことやトレーニングのこと、個人的な長崎県佐世保での暮らしの

ことなどなどつづっていきます。

特集記事

翻訳記事6:うちの鳥、おもちゃで遊んでくれないんです! by Pamela Clark

March 24, 2019

Pamela Clarkさん(獣医師、行動コンサルタント)が2週間に1回発行しているニュースレターの翻訳をさせていただいています。

 

Pamelaさんの記事を通じて、各ご家庭での環境や生活リズムの中で、様々な性格の鳥さんたちにとって何が最適な暮らしでありどうやったら鳥さんのQOL(生活の質)をあげられるのかのご参考にしていただきながら各ご家庭で応用していただけましたら幸いです。

 

~ Special Thanks! ~

今回の記事の翻訳も野中さんのご協力をいただきました!

いつも本当にありがとうございます!!

 

Pamela Clarkさんのホームページ

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『うちの鳥、おもちゃで遊んでくれないんです!』  2018.10.10 

 

 


これは、おもちゃやフォージングという形でエンリッチメントを与えても鳥に無視されてしまい、イライラした飼い主さんからよく聞く言葉です。多くの人たちは、果てしないように感じられる時間とお金を使ったあと、単純に諦めてしまいます。


おもちゃで遊んでくれなくたって、本人(鳥)が十分幸せそうにしていれば、それでよくないですか?鳥が問題行動を起こしているわけでもなく、健康なのであれば、どうしてわざわざ頑張らないといけないのでしょう?インコやオウムの飼育は、ときにはとても大変なことに思えます。多くの人は、問い始めます。「本当にこんなことを続ける必要はあるんだろうか?」

 

みなさんをがっかりさせる気はないのですが・・・必要はある、というのが答えです。あなたの鳥は、最上のQOL(Quality of Life:生活の質)のために、エンリッチメントに取り組む必要があるのです。もし、鳥に身体的、心理的、そして知的な健康を保って欲しければ、あなたは頑張り続けないといけないのです。

インコやオウムは、ほかのあらゆる生き物と同様、様々な方法で環境に対応するように進化してきました。彼らが環境に反応すれば、環境からもフィードバックが帰ってくるのです。この環境からのフィードバックというのが、鳥たちに学習する機会を与えます。この学習のプロセスが、彼らの生涯の多くの時間を様々な方法で豊かにするのです。

没頭することを見つけられない鳥は、そうでない鳥よりも遥かに鳴き叫んだり毛引きなどの問題行動を起こしがちです。「飼育下の環境は正常な行動の発現を限定してしまい、結果として異常行動が現れることがあります。」(Rodriguez-Lopez、2016年)

 

 

 あなたの鳥は、30分かけてフォージングに取り組み、最終的におやつにありつくこともできます。また、あなたが反応するまで、30分間叫び続けることもできます。おやつとあなたと反応は、どちらも環境からの「フィードバック」なのです。両タイプの「フィードバック」は、その鳥の生活を豊かにします。ある特定の結果を得るために、環境に働きかけたからです。

鳥の存在は、あなたが反応したときの社会的な注目で豊かになります。それは、怒った声で話しかけたとしても、汚い言葉を投げかけた時にもです。どうやったらあなたの反応を得られるか、退屈した鳥にとっては、とても楽しいことになりうるのです。そして、あなたとあなたの意図にかかわらず、そうするようになります。


私は、鳥の一日を、活動の円グラフに近いものとして考えてきました。言い換えれば、私たちの家での飼育下では、彼らは「活動の予算」の範囲内で活動しています。私は、自分の鳥の活動予算はこの円グラフのようになってほしいと思っています。各々の活動に使う時間は同じではないとして、それでも言っていることは伝わったのではないでしょうか。

 

 

もしあなたの鳥が飛びもしないし、木材やほかのエンリッチメント用具で遊びもしない場合、円グラフの中の大きな部分が「叫ぶ」「噛む」「毛引き」などに読みかえることになってしまう可能性があります。

飼い鳥に物理的なエンリッチメントを与えるのを諦めてはいけない二つ目の理由があります。私たちがどれだけよく世話をしようとも、飼育下での生活は飼い鳥にとって非常にストレスの溜まるものです。「制限された空間や、隠れる場所がないこと、来客の存在や身体的・心理的な刺激を促進する環境がないことなどにより、飼い鳥は慢性的なストレスの影響を受けやすくなるのです。鳥において、ストレスはステレオタイプ、自咬、毛引き、ケージの網や壁を噛む、怯えや過度の攻撃性に繋がります。環境的なエンリッチメントは、飼育科の動物の慢性的なストレスを減らすための重要な管理方法となっています。」(de Almeida, Palme, and Moreira 2018)


そういうわけで、鳥がエンリッチメントに反応してくれなかったり、フォージングをするということを知らないのは、深刻な問題です。深刻なため、問題を細かく切り分けていく必要があります。もし問題をうまく理解することができれば、その問題を防いだ上に、解決することができるでしょう。

問題は私たち自身の期待から始まります。誰もが「遊んでいる」鳥の話をします。そして、私たちは鳥たちは遊ぶものだと期待します。全ての鳥に当てはめようとするには、これは合理的な期待ではありません。

 

幼い鳥は遊びます。私の人生で一番幸せだった期間の一つが、毎年少数のヨウムを繁殖させていたときです。雛鳥たちの成長を見守ることほど楽しいことはありません。彼らは学習するマシーンのようです。あなたが与えるどんな物も、しきりに彼らはそれが何か確かめたがるでしょう。全ての動物の子供と同じように、彼らは遊び心に溢れています。それが彼らの仕事であり、そうやって彼らは世界について学習するのです。

しかし、成熟してしまえば、ほとんどの鳥は遊びをやめてしまいます。彼らはもともとそんなに遊びが’好きというわけではないのです。しかし、例外もあります。ある個体は他の個体よりも遊び好きです。ある種類は他の種類よりも遊び好きです。シロハラインコ、ロリキート、小型のコンゴウインコそして一部のメキシコインコなどがその一例です。これらの種の一部の個体は、一個の単純なもので何時間も遊んでいることがあります。もしちょっと元気が必要でしたら、このビデオを見てみてください。

 

しかし、もしあなたがヨウムや、ハネナガインコの仲間や、オオハナインコが活発に遊ぶのを期待しているとしたら、とても長い間待たされることになるかもしれません。つまり、最初の問題は、あなたの鳥が遊びをしない場合、何かがおかしいと考えてしまうことなのです。


成鳥には他にすることがあります。それまでに身につけた知識を使って、身を守るということです。彼らは、新しいものをあからさまに怖がらないとしても、 用心深いことがよくあります。もし鳥に新しいオモチャや課題にすぐに反応して欲しいと期待しているとしたら、悲しいかな、がっかりすることになるかもしれません。あなたの鳥がその物体がちょっと遊んでみるのに十分安全かどうか判断するまで、1週間またはそれ以上の時間は簡単に過ぎてしまうでしょう。そして、この十分な導入の期間を与えずに、鳥が新しいエンリッチメントのオモチャで遊んでくれるのを期待してしまうというのが、二つ目の問題です。


もしあなたの飼っている成鳥が、雛の頃にエンリッチメントを与えないブリーダーに育てられ、最初の1〜2番目の飼い主のところでもこの必要性が見過ごされていたら、その鳥がある物に慣れたとしても、遊んでみたいという欲求を一時的に失っているかもしれません。ともにこれらの状況が、「うちの鳥、オモチャで遊んでくれない!」という断定に至るのです。


三つ目の問題は、私たちが勝手に自分たちに課してしまうこのことに関する問題は、知覚に関連しています。スーザン・フリードマン博士は、行動についての我々の認識に多大な貢献をしています。著した記事の多くで、彼女は鳥の行動にラベルを貼って決めつけることによる問題について語っています。例えば、もし私が自分の鳥が攻撃的だと思っているとして、それは、この問題を解決する方法にたどり着くという目的では、出口のないものです。しかし、もし咬みつき行動を取り巻く環境に目を向けると、変えることができる事柄に気付くでしょう。正しい状況を効果的な方向に変えるということは、問題の解決方法に繋がります。

 

 

あなたがあなた自身に、「私の鳥はおもちゃで遊ばない!」と話す時、それはあなたの鳥にラベルを押し付けていることと同じになってしまいます。この発言自体に、あなたがそう信じてしまっているから、問題を解決に導くことを妨げています。解決に向かうためには、インコ・オウムが何をしているのか、そして何を得ているのかに目を向けなければなりません。どの鳥も何かしらの物で、たとえあなたがおもちゃとして認識していないものであったとしても、おもちゃにしてしまうものです。

エンリッチメントをさせようとしているインコ・オウムにとって四つ目の障害となっているものは、鳥の飼い主向けに製造販売されているタイプのものです。しばしば、それらは鳥の好みというよりも、あなたやあなたの財布をターゲットとしているものです。間違ったタイプのおもちゃを購入してしまったことで、同じような結末になるでしょう ― うちの鳥はおもちゃで遊んでくれない!

一つには、インコ・オウムが欲するものと鳥の飼い主が欲するものは同じではなく、おもちゃ製造業者はこれを知っています。鳥は、木製のおもちゃを素早く簡単に破壊したいと思っているでしょう。鳥は自分の環境に基づいて行動したいのです。飼い主は、費用のことを考えると、長持ちするおもちゃを購入したいと考えています。飼い主は賢くお金を使いたいと思っているでしょう。
 

私たちの中でどのくらいの人が正しく、おもちゃのためにお金を費やしてきたことでしょう。アルファベットのブロックや木製の球形のものはとても固いので、大型の鳥しか破壊することはできないでしょう。ほとんどの鳥にとっては、ちょっと試したら簡単にあきらめてしまうでしょう。しかし、飼い主にとって重要なことは、短い間しか続かなかったおもちゃに対して、自分が25ドルを使わずに済んだということです。
 

 

 

 

 

 

第二の問題は広告の力です。私たちはインコ・オウムが大好きで、インコ・オウムの写真も大好きです。そのため、製品や会社の販売戦略として、おもちゃと鳥を一緒にして、鳥がおもちゃに対して興味を抱いているように配置しています。したがって、販売ツールとして、製造業者または会社は、インコ・オウムとおもちゃを配置して、鳥への関心をそのおもちゃに向かって示唆することをしているでしょう。あなたは、商品をショッピングカートに入れる前に、批判的思考力を駆使して広告に質問する必要があります。右側のおもちゃを見てください。オカメインコにふさわしいと写真で示唆されているように見えますが、このおもちゃはそのサイズの鳥、あるいはどんな鳥にとっても完全に満足のいくものではありません。それらのココナッツは非常に固く、穴はとても小さいので穴から何かを取り出すのは難しいでしょう。



買い手に注意してもらいたいこと


では、あなたの鳥がおもちゃで遊んでくれなかったらどうしたらいいでしょうか。

まず、最初の出発点を探します。ほとんどのインコ・オウムは何かと触れ合います。

あなたの鳥がボトルのキャップで遊ぶのが大好きなら(そしてそれらをかみ砕かない)、鳥にそれらを手に入れるためにいくらかのお仕事を与えられるように、フォージングトーイの中にボトルキャップを隠してみてください。

もし、あなたの鳥がソファの後ろ部分を齧るのが大好きなら、布を使っておもちゃを作ってみてください。コットンの園芸用手袋を手に入れて、それに面白いものや食べ物を中に詰め込んで、これをケージに掛けます。または、リサイクルショップなどで赤ちゃん用オーバーオールのペアを見つけ、足を結束バンドで結びます。そして、ポケットにフットトーイ(足を使って遊ぶおもちゃ)やおやつを詰め込みます。

もし、あなたの鳥が紙や段ボールが大好きだけど木は齧らないのなら、これらの大好きな素材を使ってフォージングプロジェクトに参加させてみてはいかがでしょうか。もし、あなたの鳥が小さ目の木製のおもちゃだけを齧って、でもとても早く破壊してしまうのなら、鳥用に売ってあるステンレス製の串に薄く切った木やビーズを通してみてはいかがでしょうか。

第二に、ケージに取り付けてある止まり木は、鳥がおもちゃなどに対して近づきやすいかどうかを確認してください。私はしばしば、ケージの中にぶら下がっているおもちゃのそばに止まり木がない様子を目にすることがあります。鳥の気持ちになって考えてみてください。もし、止まり木がおもちゃのそばにあれば、鳥はおもちゃに近づきやすくなると思いませんか。


第三に、エンリッチメントです。あなたのインコ・オウムが興味を示すアイテムを見つけたら、鳥の行動にぼんやりと焦点を当て続けてください。鳥がおもちゃを触ったり齧ったりしている様子を見たら…あるいはただ見ている時でも…すぐに鳥に「いいね!」と声掛けをし、素早く好みのご褒美をあげてみてください。すぐに鳥はケージの中でおもちゃやアイテムをいじることが、食べ物を手に入れることができるということを学習するでしょう!

第四に、試してみることです。徐々に、ステンレス製の鈴、紙、布、齧りやすい木材、パズルのおもちゃなど、さまざまなおもちゃを追加していきます。この過程を通して、あなたはあなたの鳥について多くのことを発見することができます。鳥の興味や好みを事前に判断しないでください。おそらくあなたはいつも鳥に木製のおもちゃを渡しただけで、結局ただ鳥がはまったものは鈴だと分かる結果となります。例えば、多くの小さなコンゴウインコは鈴の下に座って楽しんでいます。

一つの注意点:ほとんどのインコ・オウムは天然素材で作られたおもちゃを好みます。フォージングにチャレンジしないのであれば、私の意見としては、鳥用のおもちゃを販売しているショップでは、アクリル製のおもちゃ類は除外するでしょう。


ある小規模な研究では、「大きめサイズ」のペレットが与えられている場合、インコ・オウムがその主食となるペレットと、より長い時間関わり合いを保てることがわかりました。(Rozek、Danner、Stucky、Millam、2010年) これらは、食べることへの取り組みに追加の課題が与えられていると考えられると、食べつくすのにもっと長い時間を必要とするということです。あなたのインコ・オウムが1つのサイズのペレットを食べているのであれば、おそらく、フォージングトーイの中または外に、はるかに大きいサイズのペレットを加えることは、重要なタイプのエンリッチメントになる可能性があります。

最も難しい挑戦は、そもそもスキルをこれまで学んだことがなかった老鳥にフォージングをすることを教えることです。雛鳥は元来好奇心が旺盛です、しかし、彼らはこれを探検のスキルに発展させるためには、元となる経験を与えられなければなりません。老鳥はまだこれを学ぶことができます。そしてそれは彼らが学ぶことに関わることが重要となります。「採餌(フォージング)のような種特有の行動を引き立てることを目的とするのであれば、エンリッチメントはより成功する」(Coulton、Waran、Young、1997)。

採食行動をオウムに教えるには、非常に基本的な課題から始めて、それからそれらを少しずつ段階的に難しくする必要があります。あなた方の多くはすでに私のウェブサイト、あるいはFacebookでもこれを見たことがあるかもしれませんが、私は自宅で簡単に安価な材料から作れるフォージングチャレンジのパンフレットを完成させました。どのようにシンプルなものから始めて、徐々に複雑さを増すかを示しています。これは無料でダウンロードできます:Parrot Enrichment Made Easy(簡単にできるインコ・オウムのエンリッチメント):低価格のヒントと秘訣。

 

最後に、市販されているフォージングトーイが販売されていて、フォージング初心者にとって手助けとなるものもあります。私のお気に入りは、Acrylic Foraging Kabobです。インコ・オウムはその中に何かがあるのを見ることができるので興味をそそりますが、その何かを獲得するのに十分な挑戦が与えられるでしょう。野菜を導入するのにも役立つでしょう。そして、食べ物を刺す串も含まれているので、他のおもちゃを作ることにも役立つでしょう。

最後に覚えておいてほしいことは、新しいおもちゃでインコ・オウムが遊ぶ時は安全に遊んでいるかを常に観察するということです。ほとんどのインコ・オウムは、食べ物でないものを呑み込むことはしないでしょうが、それでもなお注意してください。特にあなたがインコ・オウムにコットンのヒモを付けたおもちゃを与えているのならばなおさらです。

最後の注意:私は可能な限り、逸話的観察を科学的研究で実証することを試みています。このブログの最後に、私が言ったことを裏付けることに役立ついくつかの研究を記載しました。しかしながら、飼養下の霊長類や肉食動物のためのエンリッチメントにもっと焦点を当てている研究者の間で少し偏見や先入観があります。飼養下のインコ・オウムについて行われた研究はほとんどなく、非常に小さな個体群で行われることが多いです。それらの研究は決定的なものではなく、示唆的なものであるかもしれません。


画像の所有権は、Saeed Lajami on Unsplash.comに帰属します。

 

参照:
Coulton, LE, NK Waran, and RJ Young. 1997. “Effects of Foraging Enrichment on the Behaviour of Parrots.” Animal Welfare 1997, 6: 357-363. https://www.researchgate.net/profile/Robert_Young15/publication/233642678_Effects_of_Foraging_Enrichment_on_The_Behaviour_of_Parrots/links/004635388f928d5693000000.pdf

De Almeida, Ana Claudia, Rupert Palm and Nei Moreira. 2018. “How Environmental Enrichment Affects Behavioral and Glucocorticoid Responses in Captive Blue-and-Yellow Macaws (Ara araruana).” Elsevior Applied Animal Behavior Science Journal 201: 125-135. https://doi.org/10.1016/j.applanim.2017.12.019

Meehan, CL, JP Garner, and JA Mench. 2004. “Environmental Enrichment and Development of Cage Stereotypy in Orange-winged Amazons (Amazona amazonica). Wiley Periodicals, Inc. Dev Psychogiol 44: 209-218. https://pdfs.semanticscholar.org/bbb2/a21684e23a62de973c1779e8d6a103f7463a.pdf

Rodriguez-Lopez, Rogelio. 2016. “Environmental Enrichment for Parrot Species: Are We Squawking Up the Wrong Tree?” Elsevior Applied Animal Behavior Science Journal 180: 1 – 10. https://doi.org/10.1016/j.applanim.2016.04.016

Rozek, Jessica, Lindsey Danner, Paul Stucky, and James Millam. 2010. “Over-sized pellets naturalize foraging time of captive Orange-winges Amazon parrots (Amazona amazonica).”  Elsevior Applied Animal Behavior Science Journal 125: 80-87. https://doi.org/10.1016/j.applanim.2010.03.001

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