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翻訳記事7:行動を修正する最も簡単な方法! by Pamela Clark ★全文★

Pamela Clarkさん(獣医師、行動コンサルタント)よりご承諾いただき、Pamelaさんの記事を翻訳させていただいています。

(前回の翻訳からずいぶん間があいてしまいましたが…)

Pamelaさんの記事を通じて、各ご家庭での環境や生活リズムの中で、様々な性格の鳥さんたちにとって何が最適な暮らしでありどうやったら鳥さんのQOL(生活の質)をあげられるのかのご参考にしていただきながら各ご家庭で応用していただけましたら幸いです。

Pamela Clarkさんのホームページ

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今回は、いつものように、ただ翻訳文を掲載するだけでなく、実例紹介のところを一部穴埋めにしています。記事内容を読んでいただき、ご自身のアイディアも考えていただく練習にしていただけたらいいなと思っています。こちらの記事は、全文が掲載してありますが、別の記事で、一部穴埋め記事を掲載しています。こちらに記載してあるのは、Pamelaさんのアイディアですが、方法は一つではありません。それぞれの鳥さんに合った方法を探っていっていただけたらと思います。

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『行動を修正する最も簡単な方法!』★全文★  2020.04.09

配偶者、同僚、子供、ペット、さらには害虫など、他の人や種の行動を変えるために、日々の大半が費やされているように思えることがあります。

スマホなどの画面を見つめるのではなく、子供たちに宿題をやらせるのに苦労している。お客さまに飛びかかるのではなく、犬に座っていてもらいたい。無害のカタツムリ駆除剤を探している。私たちは、雄叫びを上げたり、攻撃的だったり、羽を抜いたりするインコ・オウムにイライラしてしまい、1つの戦術を試し、次に別の戦術を試して止めさせようとします。同時に、野菜を食べさせたり、おもちゃで遊んだり、水浴びをさせたりもしますが、うまくいきません。

結果と罰

問題行動に関して、私たちの最初の傾向は通常、結果を見つけ出してそれを止めさせることです。さらに、その結果は、しばしば罰という方法を用いることになります。

宿題が終わらない場合スマホなどを取りあげます。犬が飛びついたら犬をケージに閉じ込めます。インコ・オウムが雄叫びをあげたら、鳥にスプレーで水を噴きかけるか、ケージにカバーをかけます。鳥が咬んだら、「タイムアウト」のためにケージに入れます。

なぜ私たちは行動を変えるために、結果に焦点を当てようとするのでしょうか。おそらく、それはとても見覚えがあると感じるからです。私たちは皆、計画の失敗や私たち自身の誤算からくるつらい結果を経験しています。指を何度も強く打ち付けることで、ハンマーを正しく使用する方法を学びます。失敗を経験したら、その過程を修正します。消化不良の眠れない夜を経験したら、ハラペーニョを避けます。

私たちの多くは、結果が他者からの罰を受けるという形になることも非常によく知られています。赤信号を横断すれば、罰金を支払う。子供が学校で行儀が悪ければ、校長が家庭を訪問して面談する。法律を破れば、刑務所に入る。年を重ねてきた私たちは、悪いことをして、両親にお尻ペンペンされたことを覚えているでしょう。これは若い頃の慣例みたいなものです。私たちは、結果、特に結果が罰となる社会の中に住んでいて、これが行動を変えるための最初の「主力」となる方法です。だからと言って、インコ・オウムの行動を変える必要がある時に、結果に焦点を合てるのは不思議だと思いませんか。もちろん、そうは思わないでしょう!それは慣れ親しんで、巧妙に提供される罰は、将来の問題行動を減らすのに役立つでしょう。さらには、欲求不満と怒りを和らげることができるので、罰を与える側は、良い気分だとしばしば感じるでしょう。

ただし、多くの問題は罰の使用から生じます。ポジティブパニッシュメント(正の罰)の結果には、恐怖または攻撃性のいずれかの表出が伴う、逃れたいという欲求が含まれる場合があります。その他の予期しない結果は、無気力になり、他の行動も抑制される可能性があります。ネガティブパニッシュメント(負の罰)の結果には、ストレスと欲求不満が含まれます。一般に、行動を罰するための行動を取ると、信頼が失われ、別の種類の問題が増加することがよくあります。(Chance、1999年)。私たちは、行動を変えるための主な戦術として、インコ・オウムを罰する立場になりたくありません。

応用行動分析

ありがたいことに、多くの問題行動を効果的に解決する、はるかに優れた方法があります。先行事象(あるいは先行条件:antecedents)を変えることで、問題行動を少なくし、望ましい行動をより頻繁に生じさせることができます。私はあなたを裏手のドアから、応用行動分析の家に招き入れました。応用行動分析(行動科学)は、行動を変化させるための体系的で科学的に証明された方法を提供してくれます。

Facebookやその他のソーシャルメディアサイトで見られる行動の提案のほとんどは、科学に基づいたものではないことに注意してください。ほとんどのアドバイスは、知識不足が招く悪い事態になることをはらんでいます。問題行動を「調べている」人は誰でも、アドバイスを提供している人の資格を問うべきです。対照的に、応用行動分析によって提供されるアプローチは、正しく実践されれば機能すると信頼できます。

特定の行動を修正する必要がある時は、3つのことだけに焦点を当てる必要があります。行動自体に加えて、先行事象と結果を調べます。もちろん、私たちは皆、結果に多く遭遇しています。結果とは、将来、ある行動の出現率に影響を与えるであろう、その行動の直後に発生する事象です。(Luescher, 2006年) 罰は、将来の特定の行動を減らす結果です。可能な場合は常に、はるかに優れた戦略は、望ましい結果の出現をサポートするために、先行事象を巧みに配置することです。

先行事象をベースとした介入

フリードマン、マーティン、ブリンカーによると、「先行事象とは、行動の直前にある刺激、事象、条件である。」と言っています。先行事象は、行動が発生するための段階を設定します。この行動は、先行事象が存在しないと発生しないのです。

行動を変化するために先行事象を変えることは、より倫理的で、多くの場合、行動を変えるためのよりシンプルで簡単な方法です。実際、とても簡単なので、そのような変更を提案すると、飼い主は少し懐疑的な目で私を見ます。物事はそんなに簡単なものではない、と彼らが考えていることは分かっています。先行事象を変える方法を用いて、望ましい行動を振る舞うように簡単に仕向けますし、望ましくない行動を振る舞うことを困難に、または不可能にすることができます。先行事象を変える方法を使用して、問題行動を減らし、新しい行動やなじみのない行動を実行する時に鳥が成功するように、例をいくつか見てみましょう。

問題行動を減らす

攻撃的・咬みつき

攻撃的な行動を改善する場合、先行事象を変えることは「最重要点」と言えます。

実例1:鳥が肩に止まっている時に、ある種の望ましくない行動が起こる。それは、もしかしたら、3年の間、肩に止まっていても何の問題もなかった鳥が、突然、咬むようになった。あるいは、もしかしたら、耳たぶを咬む、メガネを奪う、イヤリングをとるという行動かもしれません。

先行事象を変える:このケースの場合、お勧めの先行事象を変える内容はシンプルです。それは、ただ、あなたの肩に鳥を止まらせない、ということです。その代わり、あなたのそばにある止まり木に止まるように、強化子を頻繁に与えて教えます。これは、実のところ、あなたの肩にとまるよりも、鳥の生活の質を向上させることになるでしょう。それは、鳥の自立した行動、そして、強化子を得ることに関して鳥をコントロールすること、これら両方を促すことになります。

実例2:エサ入れを取りだそうとすると、あなためがけて突進してくる。

先行事象を変える:(Q1の答え)エサ入れの位置から最も離れた位置の止まり木に留まるように教える。エサ入れを持ってケージに近づく時、食べ切るまでに少し時間がかかるくらいの適当なサイズのお気に入りの食べ物を用意する。ケージの外側から、お気に入りの食べ物を使って所定の止まり木に鳥を誘導して、ケージ越しに食べ物をあげる。素早く、エサ入れを交換する。これを毎回、エサ入れを交換する度に継続する。鳥は、あなたがエサ入れを手にして現れるとすぐに、所定の止まり木に駆けあがるようになるでしょう。

実例3:本やタブレットを持っていると、鳥が飛んで来て手を攻撃する。

先行事象を変える:(Q2の答え)あなたが読書をする時は、鳥をケージに入れるか、別の部屋で読書をする。

実例4:手にステップアップさせようとすると咬む。

先行事象を変える:最初にご褒美(お気に入りの食べ物)を見せて、ステップアップしたら素早くご褒美をあげることで、強化していく。

雄叫び、あるいはその他の悩ましい音

実例1:あなたの鳥が、窓の外が見える位置に止まっていると、外で近所の人が何かをしているところを見ると、頻繁に雄叫びを上げる。

先行事象を変える:薄手のカーテンを購入し、雄叫びが気になる時は、カーテンを閉めておく。(薄手のカーテンなので)あなたはそれでも、騒音なしで、光は確保できるでしょう。

実例2:来客がある時、鳥がとても騒々しくなる。あなたはこの状況になることに気付いたかもしれませんが、お客様を動揺させ、あなた自身が楽しむことを難しくするかもしれない。

先行事象を変える:(Q3の答え)寝る時用のケージがある場合、「お昼寝ケージ」として使う。止まり木をつるし、横にプレイスタンドを追加し、おもちゃとフォージング(採食行動)ができるものを設置する。これにより、お客様が到着する前に、鳥を移動できる。

例3:あなたが電話で話している時、鳥が雄叫びを上げる。

先行事象を変える:(Q4の答え)電話が予測できなかった場合、他の部屋、あるいは外に移動して話す。スピーカー機能を使用してみる。それは、電話機を持って耳に当てている行動が、鳥が雄叫びを上げる行動を刺激していることが多いため。

実例4:あなたとあなたの配偶者が他の部屋で会話をしている時に雄叫びをあげる。これは、しばしば、鳥と人の内、どちらかがパートナーであると認識されていることによる結果である。この社会的関係性を解決するには、追加の対策が必要となる。

先行事象を変える:(Q5の答え)短時間のシンプルな先行事象を変える方法は、鳥を会話に入れてあげること。このケースの場合、一人(一羽)ぼっちになるのが問題。

望ましい行動を増やす

小型の鳥の食餌改善

セキセイインコ、オカメインコ、ラブバードなどの小型の鳥は、シードミックスを主食の定番としているのが一般的です。結局のところ、これは、ブリーダーまたはペットショップから、小さすぎるケージ、カトルボーン、そして中にベルが付いたプラスチックのおもちゃと共に、送られてきたものです。

このような鳥がいて、そのような食事の危険性に気付いた人の中には、ペレットや他の食餌に切り替えるのに苦労した人もいることでしょう。

先行事象を変える:初めての餌をエサ入れに入れて、鳥がいつも止まっている止まり木のすぐそばに取り付ける。餌がクチバシの真下にある時、鳥はより早くこれらの新しい餌を受け入れる可能性が高くなる。これは、エネルギー消費の観点から、新たな餌を食べることがより簡単であることを意味している。

中型以上の鳥に野菜を食べてもらう方法

ミックスシードを食べてきた多くのインコ・オウムは、通常、野菜とペレットの両方を食べることに抵抗します。一つには、これは新しいものを嫌う性質によるものです。もう一つは、高脂肪で炭水化物が豊富な食べ物に、自然に惹かれる傾向にあるからです。